万葉集の筑波山(小野)
筑波山は、東側の女体山が標高 877m、西側の男体山が標高 871mとなっています。筑波山と近辺の峠との高さの比較を図にしました。
紫峰と称して親しまれました。
日本百名山の中で、最も標高が低い山です。
万葉集
万葉集にもいくつか登場します。その内の一つをご紹介します。
「鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に 率(あども)ひて 未通女(をとめ)壮士(をとこ)の 行き集ひ かがふ嬥歌(かがひ)に 人妻に 吾(あ)も交(まぐ)はらむ あが妻に 他(ひと)も言問へ この山を 領(うしは)く神の 昔より 禁(いさ)めぬ行事(わざ)ぞ 今日のみは めぐしもな見そ 言(こと)も咎むな」
この大意は次の通りです。
「鷲の住む筑波の山の裳羽服津のそのほとりに連れ立って若い男女が集まって嬥歌会(かがい)をする。その嬥歌会で私も他人の妻と契ろう。私の妻に他の人も誘いをかけよ。この山を支配している神が昔から禁止しないこととある。今日だけは、愛妻を見るな、とがめだてもするな。」
夫女ヶ原
男女が夫女(ぶじょ)ヶ原に集まって歌会をしたそうです。
夫女ヶ原は、つくば市臼井の筑波ふれあいの里 (http://tsukubafri.jp/) の辺りのようで、その付近に上記の歌の歌碑があります。
夫女ヶ原にはまた、男女が並んでいるように見える2つの巨石があります。
筑波ふれあいの里までは、Pitから自転車で6km程の距離のようです。
茨城県つくば市臼井2090-20
引用・参考
- 「Acanthus 第62号」 茨城県土浦第一高等学校進修同窓会旧本館活用委員会
- 「万葉集にいきる筑波山」 常陽新聞社出版局
- 「特別展 筑波山-神と仏の御座(おわ)す山-」 茨城県立歴史館